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木造住宅の安全性 (暮らしの安全工学ー 3)
今日は木造住宅の安全性について考えてみよう。 1 木造軸組工法の安全性 木造の構造の特徴としては、接合部が自由に回転するピン接合であることです。 鉄筋コンクリート造、鉄骨造は接合部が固定されて回転しない剛接合になって います。したがって木造の場合は、壁に斜めの筋交いを入れるか、合板を貼って 壁が変形しないように補強します。 2 木造住宅の安全性チェックポイント 地盤については忘れることがありますが、重要な項目です。特に新しい住宅地は 造成工事で盛り土、切り土の敷地があります。盛り土部分は、地耐力が小さいこと が多いので、ボーリング調査で確認しましょう。杭工事が必要なことも十分考えら れます。地耐力が3t/㎡以下の場合べた基礎にする必要があります。 建物の形状がでこぼこしている場合、地震時の水平力が加わると変心により 部分的に大きな力が加わり壊れることがあります。補強が必要です。 壁が偏って配置されている場合も同じように、やわらかい部分に変形が生じて 壊れることがあります。 建物の重さを軽くすることが重要です。軽いと地震時に働く水平力が小さく なります。 木造の場合土台と柱をしっかり結びつけておくことが重要です。阪神大震災以降 端部の柱付近にホールダウン金物の設置が義務づけられています。 筋交い、構造用合板は壁の長さの算定で、壁の長さを1.5〜5倍までの範囲で 長く算定できます。 3 木造の耐震診断 1960年代に建てられた木造住宅を例に考えてみよう。 最初に気のつくところは何か。南側に壁が少ないことが気になる。 もう少し見てみると東側の玄関まわりも少ない。このように南北東西両方について 検討する。 簡単な耐震診断法 A地盤基礎 ひびが入っていないか 1.0,0.8,0.7 B建物の形 平面的バランス 1.0,0.9,0.8 C壁の配置 南北、東西方向のバランス 1.0,0.9,0.7 D筋かい 入っているか 1.5,1.0 E壁の量 多いか 1.2,1.0,0.7,0.5 F老築化 古いか 1.0,0.9,0.8(シロアリ) 1.5以上安全、1.0〜1.5一応安全、 0.7〜1.0やや危険,0.7未満危険 例えば、0.8×0.9×0.9×1.5×0.7×0.9とすると0.61(危険) ここで壁の量を1.0とすると0.87になる。(やや危険) このように壁量を増やすことで改善することが出来る。 総合判定で危険となった場合は建築家に相談して下さい。
by tsuka7072
| 2008-10-06 12:10
| 暮らしの安全工学
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