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6室内の熱環境設計その3 熱貫流率と熱貫流量 070516(水)
梅花女子大学フォトギャラリー2 学生会館カフェ前の階段 熱の移動量の計算方法 図3−2−3 伝導 q1=λ×(θ1—θ2)/d [W/㎡] 伝導熱q[W/㎡]、熱伝導率λ[W/m℃、温度高θ1、温度低θ2 伝導距離d[m] 対流 q2=α2×(θ1—θ2)[W/㎡] 対流熱q2[W/㎡]、対流熱伝達率α2[W/㎡℃] 放射 q3=α3×(θ1—θ2)[W/㎡] 放射熱q3[W/㎡]、放射熱伝達率α3[W/㎡℃] 熱伝導率λ[w/㎡℃] 表3−2−1 建築材料の熱伝導率λ 鋼材 44 W/ m℃ 密度7830kg/㎥ アルミ 200 W/ m℃ 密度2700kg/㎥ 板ガラス 0.7 W/ m℃ 密度2540kg/㎥ コンクリート 1.5 W/ m℃ 密度2400kg/㎥ プラスター 0.6 W/ m℃ 密度1500kg/㎥ モルタル 1.3 W/ m℃ 密度2000kg/㎥ 石膏ボード 0.2 W/ m℃ 密度1000kg/㎥ 合板 0.15 W/ m℃ 密度550kg/㎥ グラスウール 0.04〜0.05 W/ m℃ 密度10〜35kg/㎥ フォームポリスチレン 0.03〜0.04 W/ m℃ 密度15〜27kg/㎥ 硬質ウレタンフォーム 0.027 W/v 密度15〜27kg/㎥ 水 0.6 W/ m℃ 密度998kg/㎥ 空気 0.022 W/ m℃ 密度1.3kg/㎥ 総合熱伝達率α[w/㎡℃] 表3−2−2(対流熱伝達率α2+放射熱伝達率α3) 設計用 対流熱伝達率 放射熱伝達率 設計用熱伝達率 室内側 4 W/㎡℃ 5 W/㎡℃ 9 W/㎡℃ 屋外側 18 W/㎡℃ 5 W/㎡℃ 23 W/㎡℃ 注:風速3mの場合 熱貫流率K W/㎡℃ 壁の一方側の空気から、もう一方の側の空気へ熱が移動することを 熱還流という.対流、放射、伝導が同時に起こる。 また、壁は複数の材料が組み合わされて出来ている。したがって、 壁全体の熱性能はこれらの材料の熱特性を組み合わせて決定される。 熱貫流率K は1㎡の壁の内外に1℃の温度差がある時に壁を流れる 熱量を表す。q=K(θ1—θ2) したがってKが大きな壁ほど熱を通しやすい。 熱還流抵抗R ㎡℃/ W 熱貫流率は熱貫流抵抗の逆数として表される。 K=1/R熱貫流抵抗の計算式 R=ri+(r1+r2+r3+r4+r5+rn)+ro(全ての熱抵抗の合計) ri=1/αi 室内側熱伝達抵抗 ro=1/αo 室外側熱伝達抵抗 r1〜n=d/λ熱伝導抵抗 dは壁の厚さ(m) r1〜n=rair 中空層の熱抵抗 熱貫流率の算出と熱貫流量(図3−2−3) 室内θ1=20℃、室外θ2=20℃ 各要素の熱抵抗を求める ri=1/αi=1/9 ro=1/αo=1/23 r1=d/λ1=0.01/0.6 r2=d/λ2=0.15/1.5 r3=d/λ3=0.05/0.05 r4=d/λ4=0.01/1.3 熱貫流抵抗を求める R=ri+(r1+r2+r3+r4)+ro=1.28㎡℃/ W 熱貫流率は K=1/R=0.78 W/㎡℃ 室内から室外への熱貫流量は q=K(θ1—θ2)=0.78×20=15.6W/㎡ 問題1 図3−2−3の条件で壁体がコンクリート厚150mmだけで出来ている 場合の室内から室外への熱貫流量を求める R=ri+(r1)+ro=1/9+1/23+0.15/1.5=0.25㎡℃/ W K=1/R=4.00 W/㎡℃ q=K(θ1—θ2)=4.00×20=80.0W/㎡ 問題2 図3−2−3の条件で壁体が板ガラス厚10mmだけで出来ている 場合の室内から室外への熱貫流量を求める R=ri+(r1)+ro=1/9+1/23+0.01/0.7=0.17㎡℃/ W K=1/R=5.88 W/㎡℃ q=K(θ1—θ2)=5.88×20=117.6W/㎡ 以上より,壁に断熱材を入れたコンクリート壁の熱貫流量はK=0.78w/㎡℃ コンクリート壁のみの熱貫流量はK=4.00w/㎡℃ これより断熱材を用いると熱貫流量は1/5に減少する。 熱貫流量だけを考えると断熱材を入れた部屋が1000Wの熱量が 必要な場合、コンクリートのみの部屋は5000wの熱量が必要になる。 次回は,換気による負荷、日射による負荷、内部発熱による負荷に ついて考える。
by tsuka7072
| 2007-05-16 13:35
| 環境工学2
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